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「オフグリッドの世界と、その可能性」~エネルギー編~

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いま私たちは電気・ガス・ガソリンなどのエネルギーに頼って生きています。携帯とパソコンの充電を常に気にして、電源が切れたらお手上げ状態はよくあることです。私たちは、行動の自由度は増しているのにエネルギーというグリッドに縛られているのが現実です。どうしたらエネルギーの制約を受けすぎずに、暮らすことができるのでしょうか。

さらに、電気のほとんどは化石燃料から生み出されています。衣料も石油からつくられる化学繊維で、食品や医薬品の中には石油由来のものも多いのが現実です。化石燃料を燃やすことがCO2の増加と地球温暖化や気候変動の大きな原因になっていると言われているし、石油利権を巡る紛争や戦争も起こっています。私たちの生活の根っこには、「石油依存」という大きな問題があります。

今回は、エネルギーとそれに関連する環境問題の現状や、これからのエネルギーのあり方について、現在の最先端の研究・暮らしの知恵・政策的側面など、多方面から考えました。

<ゲスト>

特定非営利活動法人R水素ネットワーク代表理事
江原春義氏
1986年:自然派化粧品ブランド「江原道(KohGenDo)」を、妻であった女優、早乙女愛と共に創業。多くの俳優に愛用される。2002年:「人生には未だ、自分の知りえない深遠で壮大な何かがあるのでは?」という想いから江原道を売却し代表取締役を退任後、家族とともに渡米。そこで地球環境の危機的な状況に衝撃を受ける。その後、ハワイ州にてクリーンエネルギーであるR水素(再生可能水素)の素案にであう。2006年:ハワイ州で水素関連を広める活動を始める2008年:日本に引っ越した際に、仲間とともに世界のクリエイティブなニュースを紹介するWEBメディア「greenz.jp」を設立。2009年:R水素社会の実現を促進するNPO「R水素ネットワーク」を設立。2015年:著書「R水素 ~再生可能エネルギーと水による地域循環型のエネルギーのかたち」2016年:英語版「Renewable Hydrogen: Community-Driven Energy for a WorldShift」
http://rh2.org/about/

東京大学大学院工学系研究科、化学システム工学専攻・教授
堂免一成氏
1976 年東京大学理学部化学科卒業、1982 年東京大学大学院理学系研究科化学専攻博士後期課程修了。理学博士。 1982 年東京工業大学資源化学研究所助手、その後、助教授、教授を経て、 2004 年 3 月から現職。現在の研究テーマは、(1)水の可視光分解用光触媒の開発、(2)新規な触媒材料の開発(メソ ポーラス材料,ナノシート等)、(3)表面反応ダイナミクス。 光エネルギーを化学エネルギーに変換することを目的とした光触媒を中心に、高い機能を 持った新しい触媒の開発を行っている。太陽光と水のみから水素を作ることができれば、真 にクリーンで再生可能なエネルギー源となるので、人工光合成型反応を実現するための光 触媒システムの開発に取り組んでいる。受賞歴:2007年 触媒学会賞(学術部門)「水分解光触媒の創成」 2011年 日本化学会賞「水を分解するエネルギー変換型光触媒の開発」 論文数:700超
http://www.chemsys.t.u-tokyo.ac.jp/laboratory_domen-kubota.html

国際環境経済研究所所長、常葉大学教授
山本隆三氏
香川県生まれ。京都大学卒、住友商事入社。石炭部副部長、地球環境部長などを経て、2008年、プール学院大学国際文化学部教授に。2010年4月から現職。財務省財務総合政策研究所「環境問題と経済・財政の対応に関する研究会」、産業技術総合研究所「ベンチャー評価委員会」、21世紀政策研究所「ポスト京都議定書プロジェクト」、経済産業省「産業構造審議会環境部会 地球環境小委員会 政策手法ワーキンググループ」委員などを歴任、現在経済産業省地球温暖化対策普及等推進事業審査委員会委員、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)技術委員、「JCM実証事業審査委員会」委員、日本商工会議所及び東京商工会議所「エネルギー環境委員会」学識委員、国際環境経済研究所所長、財務省東海財務局財政モニター等を務めている。
http://ieei.or.jp/

再生可能エネルギーのコスト(山本隆三氏)

私は、エネルギー政策とか環境政策が専門です。

宇宙から見た夜の地球の写真を見ると、我々がどれだけ電気を使っているかがよく分かります。日本列島はそのままくっきり浮かんでいます。北朝鮮は真っ暗で韓国が島のように見えます。

住人が多いところほど明るいのなら問題ありませんが、そうはなっていません。たとえば、アフリカです。北アフリカは電気が点いていますが、サブサハラと呼ばれるサハラ砂漠の南は真っ暗です。この地域には10億人が住んでいます。
この地域では、電気を持つ人は3分の1しかいません。3分の2の人は電気の無い生活をしています。電気が無いので灯油ランプを使っています。日本で言えば江戸時代ですよ。
こういう電気の無い生活をしている人が世界中では13億人いると言われています。

彼らは送電線に繋がっていない。オフグリッドの生活をしています。今、こうした地域で太陽光や風力で電力を供給する動きがありますが、これらも送電網に繋がっていません。
実は、オフグリッドの電力には大きな問題があります。それは、価格の問題です。電気は大量に作って、送電網で配った方が安く供給できます。

オーストリアの例ですが、山林から伐り出した木をウッドチップに加工して地産地消のエネルギーを作っています。ウッドチップを燃やした熱で地域暖房をやっています。発電には使っていません。木材で電気を作るとエネルギーが3分の2くらい失われてしまう。効率が悪いからです。ウッドチップで大量に電気を作っているのは、世界中でもおそらくスウェーデンくらいだと思います。

私が商社にいたとき、ウッドチップの利用を日本でもできるんじゃないか、と思ったことがありました。しかし、利用はほとんど広がらなかった。なぜかと言うと山の形の違いです。オーストリアの山は緩やかで搬出までの過程がほとんど自動化されています。しかし、日本は山が急峻なので機械を入れるのが難しい。全部、人力でやらなくてはならないので、コストが非常に高くなる。原油価格が常に1バレル100ドルを超えれば競争できるかもしれませんが、今のように原油が安いととても成立しません。

再生可能エネルギーの最大の問題はコストです。
世界の発電を電源別に見ると、一番多いのは石炭です。安くて大量にあって世界中で採れるから。中国の電気の4分の3は石炭です。アメリカは減ってきましたが、まだ30%が石炭。日本は25%ほど。世界全体では41%が石炭です。
太陽光、風力、バイオマスというのは、「その他」の6%の中に含まれています。

水力は15%。途上国では多くて、ブラジルだと6割以上が水力です。日本でも、昔は水力が主体だったんですが、電力需要が多くなると供給が足りなくなって、今は火力がメインになっています。

ドイツの電力事情を見ると、再生エネルギーがすごく増えています。風力と太陽光が中心です。それでも、一番多いのは化石燃料の一種の褐炭です。石炭と石油も合わせて、化石燃料でまだ半分を超えています。原子力もまだ1割くらい使っています。ドイツの脱原発の目標は2022年です。そうしないと、電力需要に対応できないからです。

ドイツで再エネが増えたのは、固定価格買取制度によるものです。太陽光や風力の電気を高い価格で買い取ったので、一気に増えたわけです。しかし、その結果、電気代が高騰しました。今、ドイツの家庭用電気代は世界で2番目に高い。
さすがに電気代が高すぎるということで、ドイツ政府は固定価格買取制度を原則廃止しました。今は家庭用の小さいものしか買ってもらえません。その結果、再エネの伸びが急に止まりました。今は横ばいです。

スペインの場合は風力がメインですが、こちらはドイツよりも酷くて、電気代が上がり過ぎたので、買取価格を過去にさかのぼって引き下げるということをやりました。それ以降、やはり風力発電の伸びは止まっています。
つまり、再生可能エネルギーはコストが高くて、現状では政府の支援が無いと導入が難しいわけです。

家庭用電気料金世界2位のドイツの上で、世界一家庭用電気料金が高いのがデンマークです。ここは電気の半分を風力でまかなっています。しかし、電気を輸出して輸入するという不思議なことをやっています。
風力は風の強い夜間に多く発電しますから、余った分をスウェーデン、ノルウェー、ドイツといった国に輸出しています。一方、昼間は足りない分を輸入しています。
しかし、夜間はどの国も電気をあまり使わないので、電気の値段は安い。一方、昼間は電気をたくさん使うから、電気代が高い。安く売って高く買うから、それが電気代に跳ね返って消費者の負担になっているわけです。

ヨーロッパの国々の電気代は、日本の1.5倍くらいになっています。再生可能エネルギーを高く買い取る分が電気代に上乗せされているからです。ヨーロッパで一番安いのはフランスです。原子力発電をやっているからです。フランスの場合は電気の約8割を原子力で作っています。

発電コスト以外に再生可能エネルギーを送電網に取り込むためのコストも考えなければいけません。ここでは国際エネルギー機関による、イギリス、アメリカ、ドイツの試算しかありませんが、日本の場合はこれらの国より費用がかかると考えられています。これは送電網の形によるからです。丸い形のネットワークの方が効率がいいのですが、日本は南北に直線状に長い形をしていますから、その分、費用がかかってしまいます。
*参考:電気料金の国際比較(筒井美樹,一般財団法人電力中央研究所社会経済研究所,2015

経済の持続可能性を(山本隆三氏)

今年の2月に発表された国連調査によると、日本人の幸福度は世界で51位です。
なぜかというと、みんな給料が減っているからです。日本の一人あたりGDPは1994年には世界2位でしたが、20年で米国政府資料ですと42位まで落ちました。購買力平価でみた一人あたりGDPだと、先進国ではイタリアしか下がいない。平均年収では2014年に一回韓国に抜かれています。アジア一お金持ちはシンガポールになりました。

今、日本で生活が苦しいという人は国民の6割です。働いている人のうち、年収300万円以下の人が4割を超えています。一方、1000万円以上の人は5%いません。格差が拡大しているのではなくて、みんなが貧しくなっている。一億層下流化です。バブルがはじけた92年には、生活が苦しいという人が国民の3分の1くらいでした。

家計支出は15年間で1割落ちています。一番最初に削るものは、お父さんのお小遣い。15年前の半分ですよ。それから、衣服。安いファストファッションになってきた。それから旅行。今「観光で食えばいい」という人もいますが、実際にはみんな観光で使うお金を減らしています。その中で、一つだけ支出が増えているのが電気代です。

産業別に名目付加価値額、つまり儲けの推移を見てみると、観光なんかは10年で3兆円減って、13兆円くらいしかありません。

日本の産業がどこで儲けているかというと、やっぱり製造業です。おおむね年100兆円以上あります。リーマンショックで世界的に製造業が低迷しますが、ドイツやアメリカはその後復活しています。日本の場合、それと比べて回復が鈍い。電気代が上がったからです。2011年に震災があって、電気代が上がりました。それで製造業がかなり疲弊をしています。持続可能性というより先に、まず我々が生きていかなければいけないわけです。日本というのは、幸福度が下がり続けている世界でも珍しい国です。その最大の要因は所得が減っていることにある。世論調査をしてみると、そういう結果が出ています。

世界に目を向けると、1日1ドル以下で暮らしている人は10億人以上です。物価水準を調整していますから、日本で言えば本当に1日100円の生活です。想像を絶する世界ですよ。そういう人たちを救わなければいけない。そのためにも、安いエネルギーが必要になります。

50年前に携帯電話なんか誰も想像しなかったわけですよね。想像できない技術の進歩が起こりえる。ですから、将来、現在のエネルギー問題を解決する画期的な技術革新がもたらされるかもしれません。しかし、エネルギーの世界はITなんかと違って、技術革新がものすごく遅い。発電方式なんか19世紀から原理は変わっていません。発電効率も1%上げるのに10年単位の年月がかかります。再生可能エネルギーもオイルショックの頃から注目されていますが、なかなか進展しません。

発展途上国も含めた我々の社会が持続的に発展していくためには、新しい技術が登場するまでの間、現在ある安いエネルギーを有効に賢く使っていくことが必要になります。

もっとも期待されているエネルギー・水素(江原春義氏)

R水素。これは、水による再生可能エネルギー。地域循環型の電力の形です。

身の回りにあふれている自然エネルギーで作った電気を使って、身の回りにあふれている水の中から水素を取り出す仕組みです。水素からエネルギーを取り出すと、酸素と結合して、また水に戻ります。

まず、聞いていただきたいことがあります。今、自分の家族や会社、国だけでなく、地球全体に対する責任が求められています。“Think Global-Act Local”という視点で聞いていただければ幸いです。
今もっとも期待されているエネルギーが水素です。今まで人間が使ってきたエネルギーは、木炭、石炭、石油、天然ガスといった順に炭素の含有量が減っていきます。そして、水素は炭素がゼロです。
そして水素を使った素晴らしい技術が開発されています。2015年は燃料電池車元年と言われています。トヨタ、ホンダをはじめ、世界中の自動車メーカーが燃料電池車を開発し、トヨタなどは量産販売を開始しました。乗用車以外にも、燃料電池で動くバスやフォークリフトが実用化されていますし、電車や飛行機も研究されています。

水素は作り方によって大きく二つに分けることができます。
まず、わたしたちが推奨するR水素。Rは“Renewable”(再生可能)という意味です。自然エネルギーと水の中の水素を使う持続可能なエネルギーの形です。

それに対して国やエネルギー会社が進めているのは、持続可能ではない水素です。化石燃料の中の水素を取り出す方法、それから、鉄などを作る際に出てくる副生水素を精製する方法、そして、原子力の熱で水を熱分解する方法が計画されています。

今の時代は、すでに古い時代です。
まず化石燃料、中東あたりでハイテクの探索マシンで油田を探して、掘削機で穴を掘って地下1300mから原油を吸い上げる。そこからタンカーで日本に運んできて、石油プラントの複雑なプロセスを通じて、やっと最終製品のガソリン、重油、灯油になるわけです。そして、そこから水素を取り出して燃料電池に使う。
再生可能エネルギーも全量買取制度で、送電線を通して全部売ってしまう。儲かるから、みんながやるわけですが、送電線に依存しているんです。そして、電力自由化。これも送電線に依存しています。
人っ子ひとりいない山の中に100mの鉄塔を建て、数十万ボルトの高電圧の送電線を走らせています。たくさんの変電所、3500万本の電柱。これらの電気事業固定資産に16兆円かかっています。これは、すべてみなさんの電気代です。1kWの電気を送るのに平均9円かかります。

実はIMFのレポートによりますと、世界のGDPの6.5%が化石燃料に対する補助金なんです。5.3兆ドルになります。
日本では一人あたり15万円になっています。全部が現金ではないのですが、すごい額です。つまり、全部我々が使っているエネルギーコストは見せかけの安さなんです。

スーパーマーケットへ行ったら、世界中から運ばれてきた野菜や果物が並んでいます。アメリカでは、じゃがいも、砂糖、牛肉、コーヒーの輸入量と輸出量がほぼ同じです。イギリスも同じです。近くで作ったものを食べればいいのに、遠くから輸入したものを食べている。そうした方が安くつくからです。世界中で食べ物が行き交っています。そして、この輸送にかかる二酸化炭素はどの国にもカウントされていないんです。
そして、世界中で12億人が飛行機で旅をしているわけですね。この二酸化炭素も誰も責任を取っていません。

*参考:R水素導入事例
・ドイツシーメンス:原発からR水素へ
・東芝:R水素による自立型エネルギー供給システム
・長崎ハウステンボス:12室をオフグリッドR水素でエネルギー供給
・ホンダ:本社にスマート水素ステーション
・みどり荘:コワーキングスペースに導入

R水素の小さなコミュニティをつくる(江原春義氏)

大気中の二酸化炭素の濃度は、産業革命以前の280ppmから400ppmになっています。そして、このライフスタイル、この経済、止まりません。破滅に向かっています。

では、どうしたらいいか。今、若い人の間でシェアオフィスとかシェアハウスが流行っていますが、もう地球全体をシェアするしかない。競争ではなく、シェアです。それが、これからの当たり前になります。
化石燃料よりも、我々の身近にある水の中にある水素を使えばいいですね。そして、風の力とか太陽の力、波の力、いろいろな自然の力がありますよね。そういったものにエネルギーをシフトすれば、どんなに素晴らしいでしょうか。

ためる、使う、つくる。これを私たちは「R水素サイクル」と言っています。自分達で作って、自分達で使う。余ったら、水素で貯める。バッテリーでは貯められる電気が少ないですが、水素を使えばコンパクトに大量に貯められます。そして、これは永遠に劣化しません。
自然エネルギーの欠点は、電気の需要に合わせて供給ができないことと言われていましたが、水素を使えば余ったときに貯め、必要なときに使うということができます。24時間発電する小水力とか波の力とかは、あまり電気を使わない夜の間に大量に水素を貯めることができます。

R水素公式HP(http://rh2.org/)より引用

今回の東日本大震災では、道路が陥没したり、スタンドが崩壊したり、送電線が破損したことでエネルギーインフラが壊れたんですね。そうすると、被害に追い打ちがかかるわけです。
気候変動とか地震や火山活動が活発化しているために、今後ますます災害のリスクは高まります。エネルギーを地域で貯めることは、命を守るためにも重要なんですね。

自然の恵みを貯めて使うことは、人類が進化する重要な知恵です。たとえば、野菜は漬け物にして保存する。魚は燻製や干物。そうやって我々の生活が安定したように、再エネは地域で貯めるということです。
地域でエネルギーを作って使えば、地域でお金が回ります。一般家庭の一年間のエネルギーコストが30万円です。もしこれが1万人の小さな町だったら30億円。地域全体ですともっと増えます。このお金が圏外に出ない。山形県を例に取ると、人口100万人で、農業販売額が2000億円に対してエネルギー支出は2400億円。この金額が中で回るようになります。

世界に14億人、電気の無い人たちがいます。日本の人口の10倍ですよ。電気が無いと医療にも影響が出ます。助かる命がたくさん死んでるんですね。そういった人たちもコンパクトにR水素があれば、電気を使えるようになります。
電気があれば、インターネットで世界に繋がることもできます。民主主義の基本である自分の意見が言えるわけです。我々の地球を守る同志を支えることになりますね。
そして、R水素は水や空気を汚しません。雨がきれいになる、畑がきれいになる、川がきれいになる。そうやってきれいな世界ができる。今は水や空気を汚すことで、気候変動が起きているんですね。これをお金に換算できますか。

「最大の悲劇は悪人の暴力では無く善人の沈黙である。沈黙は暴力の影に隠れた同罪者である」キング牧師の言葉です。
黙ってないで声を出せ、ということです。こういうのは、日本人はちょっと苦手ですね。
ニューヨークで気候変動に対する30万人デモがありました。このあいだも5月にディカプリオなんかが先頭に立ってやってましたよ。「Climate crisis」と言っています。もう「危機」なんですよ。

350.orgという国際NGOがあります。化石燃料に投資をさせないダイベスト・ムーブメントをやってるんです。すでに世界の700団体が5.5兆ドルを投資しないと表明しています。そして、化石燃料に投資をすれば、逆に損しますよ、ということです。

私は小さなコミュニティを作りたいと思っています。食もエネルギーも地域で自給する地域循環型という革命的省エネです。企業であろうが、政治家であろうが、情報共有して、それを世界に発信していく。それが、世界に広がるのが一番速い。インフラで繋ぐよりも速く伝わります。

グローバリゼーションは破滅に向かいます。大量生産大量消費の大量に使うエネルギーというのは、見せかけの安いコストが原因です。希望はローカライゼーション。世界中にパーマカルチャーなどのコミュニティー経済の運動が起きています。そういったものがひとつになっていけば、破滅寸前から希望の方向に向かいます。政治が動いて、地域循環型のR水素で行くと決まれば、そこに税金が投入されて巨大なマーケットができるんです。そうすると、命をもっとも大切にする新しい文明が生まれます。
我々が生きている間に次世代に何を残すかっていうこと。水や空気を汚さない、これは当たり前のことです。

*参考:「水素の製造、輸送・貯蔵について」(平成26年4月14日 資源エネルギー庁 燃料電池推進室)

水から水素を直接つくる人工光合成(堂免一成氏)

太陽エネルギーと水から水素を直接作る方法を紹介します。

例えば太陽電池(ソーラーパネル)と水の電気分解を使えば今でもできるんです。ただ、問題はコストがどうしてもかかること。少なくとも、今、我々が使える電気は値段が高い。そして、人間は確実に安いエネルギーを選択するでしょう。
そこで、我々は太陽エネルギーと水からどうやったら安いエネルギーを作れるか、ということでやってきたわけです。

我々の専門は触媒です。水分解光触媒というのは、一つ一つは1ミクロンくらいの微粒子です。この粉を水の中に放り込んで光を当てるだけで、すぐに水が水素と酸素に分解します。こういう光触媒を作りたい、と思ってずっとやってきたわけです。
なぜ、これが将来的に安くなる可能性があるかというと、粉というのは非常に大量に作れるからです。太陽電池みたいに一枚一枚パネルを作らなくてもいい。粉を拡げてしまえばいいわけです。

窒化ガリウム(GaN)と酸化亜鉛(GnO)の固溶体という黄色い材料があります。顕微鏡で見ると数百ナノメートルくらいの粉です。これは世界で初めて可視光、つまり目に見える光を使って水を水素と酸素に分解できた光触媒です。
これを水に放り込んで光を当てます。そうすると、どんどん泡が出てくる。これが、水素と酸素です。理科の実験でいう水上置換をやってやると、水の上に気体がたまっていくわけですね。実はこれはまだ効率がそんなによくないという問題があるんですね。

もう一つはですね、光触媒の粉を使って、大面積の太陽エネルギーを集めて安く電気を作る、ということをやりたいんですね。そのためには粉をそのまま使わず、光触媒を2次元のシートの上に固定して水分解パネルを作ります。
さっきの黄色い粉と二酸化ケイ素という非常に安い材質、これをガラス板の上に乗せて加熱する。そうすると、板の上にくっつきます。電源は要らなくて、光だけを当てるだけです。板にくっつけた粉の上で水が分解して、水素と酸素の泡が出てきます。
これもまだあまり効率が高くないんで、このままでは使えない。そこで、我々は効率を上げるためにいろんな材料を開発しているところです。

たとえば、2種類の光触媒を混ぜて使う。これをガラスの上にポタポタと垂らしてですね、その上に金を貼り付けます。金じゃなくて炭素でもいいですよ。さらに、その上からカーボンの両面接着テープでガラス板を貼り付ける。それをひっくり返すとガラス板の上に光触媒が乗っている材料ができます。これを水の中に沈めて光を当てると、水素と酸素が分解されて出てくる。これは現在世界で一番活性の高い光触媒です。
太陽光エネルギー変換効率でいうと1%ちょっとくらい。自然界の植物の光合成は0.4くらいです。ただ、実用化するには、あと一桁くらい効率を上げなければいけない。

光触媒の特徴として、パネルが割れても使える、というのがあります。ソーラーパネルは板が割れると使い物にならなくなりますが、光触媒なら問題ありません。ミクロン単位の粉がそれぞれ水を分解して水素を出す仕組みだからです。

たとえば、昨年、大学の屋上でやった実験ですが、このときは、スクリーンプリンティングという技術を使って、光触媒を二酸化ケイ素と一緒にガラスの上に塗ったものを使いました。1m角くらいの板を作って、その上に薄く水を張ります。その上にプラスチックの板を置く。板にヒビが入っていたのですが、問題無く水を分解できています。

もっと効率を上げたときにこういう板が使えるか、という実験もしています。光触媒は自然光よりも紫外線を当てたときの方が活性が高くなります。これは太陽光の中に含まれる紫外線ですけど、量子収率70%と世界で一番活性が高い光です。光を当てると水素と酸素が非常に激しく出てくる。
これでテストモジュールを作ります。水の厚さを5mmにしたときと1mmにしたときで反応速度の違いを見る実験です。その結果、1mmでも5mmでもほとんど同じということが分かりました。つまり、パネルを非常に薄くしても、こういう仕掛けが上手く働くということですね。

変わったタイプとしては、2種類の光触媒を菱形に並べたものも作っています。こういう構造のものを作ってやると、一方からは水素の小さい泡、もう一方からは酸素の大きい泡が別々に出てきます。
このように、様々な素材を使って実験を積み上げてきたわけです。

我々は最終的に水分解水素製造プラントというのを作りたいと思っています。広大な敷地に水分解パネルを敷き詰めておいて、太陽光で水から水素を取り出します。この水素を二酸化炭素や窒素と反応させて、肥料に用いるアンモニアや化学原料を作ります。ガソリンにしてしまっても構いませんし、水素を直接そのまま使うということもできます。

パネルの変換効率を10%まで高めれば、5キロ四方のパネルで一日に水を5000トンくらい分解できます。この仕掛けだと水素と酸素が2対1の混合気体でそのまま出てくるので、火が点くと爆発します。非常に危ないので、別のグループが水素を分離する仕掛けを開発しています。

これは経産省のNEDOの10年プロジェクトでやっています。ちょうど今5年経って、残りの5年をこれからやろうとしているところです。

ディスカッション:気候変動の影響は途上国に

江原:税金の使い道をお任せしていると、一部の人の利益にお金を使われてしまいます。続けることのデメリットとやめることのメリット。これは大きな違いです。
たとえば、ケンブリッジ大学では大学の資産運用で石油会社に投資をしていたんですが、それに対して、大学生がバリケードを張って抗議をしたんです。化石燃料に投資をするな、と。逮捕者が出る激しいものだったんですが、最終的に大学は石油会社への投資を引き上げたんです。

イギリスでは、大学の5分の1がダイベストメントを発表してるんです。ダイベストメントというのは、化石燃料への投資を引き上げるということです。アメリカでも名門大学がいくつかダイベストメントを発表しています。これは、倫理的な観点でもありますけど、投資の観点からも引き上げる方がリスクが低いという判断をしています。
気候の危機に対して、そういう動きが世界中でたくさん起き始めています。その全体を見ないと、未来は見られないんですね。

山本:化石燃料の値段というのはものすごく変動します。要は収益面で不安定だと。それから、二酸化炭素を出すから、将来売上げが減るかもしれない。そういうリスクの高い会社には投資をしないという考え方ですね。一方、ウォーレン・バフェットのような著名な投資家が、まだ石油会社の株を買っているという現実もあります。

先進国にはいろんな手段があります。お金の負担が増えても耐えられるかもしれません。しかし、発展途上国の人は安い化石燃料を使わずに生活できるのか。中国のように4分の3の電力を石炭で作っているような国が石炭をやめられるのか。

国連の温暖化問題の会議のときですが、非公式の場で中国の代表が発言したことがあります。「あなたたちは我々に貧乏のままでいろ、と言っているのか。先進国にそんな権利があるのか」と。これには、もう黙るしかなかったです。
我々が世界全体のことを考えるときには、貧しい国の人々のことを考えなきゃいけない。石炭、石油に投資しないというのは、ひょっとしたらエゴかもしれません。

江原:山本さんのおっしゃるのは極めて常識的な考え方。全然間違っていません。だからこそ、やばいんですよ。石炭は安いから、どんどん使う。ますます、やばくなる。
その結果、気候変動の影響は、開発途上国と言われる国の方が被害が大きくなる。ケニアに行くと、家畜を連れて移動して生活をしている方がたくさんいます。ところが、干ばつで雨が降らない。水と草を求めて、何十キロも家畜を連れて歩く。やっと見つけたと思って家畜を放すと、野生の動物に食べられてしまって大切な家畜を失ってしまった。

そういう地獄のような生活を強いられているところがたくさんある。シリアの内戦も原因をさかのぼっていくと干ばつが発端という科学者の報告もあります。日本にいるとなかなか分かりませんが、化石燃料を使った弊害が世界では既に起きています。何千万人と死んでいる。どれほどの地獄のような生活をしているか、ということも考えないといけません。

山本:気候変動というのは、雨が降るところはもっと降る、雨が降らないところはもっと降らなくなります。すでにアフリカでは起こってるんですね。一番典型的なのはチャド湖です。50年間で面積が20分の1になりました。半分は周辺国の取水が原因、残りの半分は気候変動と分析されています。
最初に言った電気を持たないアフリカの10億の人たち。そこでは働いている人の約8割が農業をしています。自給自足経済ですね。彼らは農業ができなくなったら死ぬしかありません。

我々が一生懸命気候変動に取り組んでいるのは、こういう国のことを考えているからです。ヨーロッパの国が気候変動問題に熱心なのは、旧宗主国としての義務感があると思います。かつて植民地支配をしていた国がすでに困っているわけですから。
ただ、私たちも生活があります。自分たちの生活を犠牲にして、自分たちが苦しむことまではできない。でも、できるだけ、化石燃料を使わないようにして、再生可能エネルギーと原子力で二酸化炭素を減らしましょう、ということですね。

ディスカッション:今すぐ私たちにできること

山本:幸福度について触れましたが、国連の調査は経済力、平均寿命、治安、社会保障、こういうものを勘案して出しているようです。日本は残念ながら調査が発表されるごとに下がっている。これは経済力にかなり影響しているという気がします。
15年前、一人あたりGDPで日本の半分しかなかったオーストラリアが今、1.5倍ですからね。アジア、太平洋でもっとも豊かな国はシンガポールとオーストラリアになっています。

ちなみに、ブータンの幸福度は97位です。2005年にブータン政府が国勢調査をすると97%の国民が幸福と答えたんですね。なぜかというと、回答欄が「とても幸せ」「幸せ」「不幸せ」の3つしかなかったから。5年後に別の方法で調査をやり直したら40%強しか幸せの回答がなかったと言われています。

江原:都会というのは人口が過密状態です。人口密度が高い方が効率がいいように見えますが、一方では、人口集積を支えるために高度な技術と多くのエネルギーが必要なんですね。
たとえば、高いビルにはエレベーターが要るし、密閉したところでは冷暖房が必須です。地下鉄のような交通インフラも必要になる。このビルをオフグリッドにしようと思ったら、電気の消費を相当減らさなきゃいけない。作れる電気より使う電気の方が多いんですね。
R水素というのは、もっと都会を離れた地域寄りのものです。自分たちで地域のエネルギーを作る。作る範囲で消費をする。そういう地域循環経済ですね。それが一番省エネになる。

堂免:水分解光触媒の研究はもう40年くらいやってますけど、自分がおもしろいな、と思って続けています。始めた頃は物好きな人しか来なかったけど、最近は、水素エネルギーとか太陽エネルギーとか言われて、学生も来るようになりました。私自身はかなり現実主義者です。人間というのは安いエネルギーがあればそっちの方に行くんだろうな、と思うんです。

ただ、研究者として長い視点で見るとですね、今、我々が使っている化石資源というのは、だいたい、7~8億年の間埋まってたものです。そうした貯まった化石資源を我々は200年とか300年の間にほとんど掘ってしまったわけですね。例えるなら、24時間かけて貯めたものを、0.0何秒で使い切る、ということをやっているわけです。化石資源は間違いなく無くなるんです。いま生きている我々はすごくラッキーな時代に生きているんです。

発電の効率は1880年から変わっていません。化石燃料を使う限りはだいたい同じ原理ですから、そんなに変わるはずありません。物理限界があって、そこに限りなく近づいているから、これ以上やってもそんなに上がるはずがない。だけど、ほとんど世界中の人が使えるエネルギーをできるだけ安くしたい。

僕は水道の水と同じでコンセントに突っ込めば、そこから電気が取れるという生活が一番便利な生活だろうな、と思うんです。みなさん、それを変える気が無い。だけど、いつか無くなってしまうときが来たらどうするか? 江戸時代に帰ればいいわけですが、でも、そうならないためには、今から何らかの準備をする必要がある。できるだけ、化石資源を使わないで済ますためには、今より安い再生可能エネルギーを作る方法を考えなきゃいけない。

山本:そのために今すぐできることとしては、節電が非常に大切です。電気製品を買い換えましょう。新しいものは、消費電力が低いですから。一番は冷蔵庫です。この10年で消費電力が3分の1になりました。一方、エアコンはこの10年であまり変わっていません。買い換えるより、フィルターを掃除した方がいいです。
もう一つは、電気を賢く使うことです。エアコンはスイッチをこまめに切るとかえって電気代が高くなります。設定温度を上げる方が節電になります。

江原:消費行動も大事だと思います。布きれ一枚、すべての製品にエネルギーがかかっています。無駄な買い物をしないこと。エシカルビジネスというのも広まってきましたけど。
あとは、NPOをサポートするとかね。サポートすることで、新しい人に出会えますから。

ディスカッション:行動しない日本人

山本:アメリカの調査会社によると、日本人の82%が温暖化を信じている。これは、世界の中でもずば抜けて高い。ドイツですら58%しかいない。アメリカにいたっては半分いないんですね。温暖化は信じているけど、温暖化対策にお金は出さない。なぜかというと、我々が貧しくなっているからです。
所得が増えて余裕があったら国もいろいろできますよね。しかし、国家予算100兆円のうち国債費が30兆円で社会保障費が30兆円以上です。しかも、税収は減る一方ですからね。
そういう中では、温暖化対策も残念ながらそんなにはできないです。

堂免:日本の学生も十数年前は温暖化を信じていませんでした。しかし最近は、ほとんど100%が信じています。アメリカやヨーロッパは、教育レベルが高ければ高いほど信じています。だから、そういう方向性で少しずつ変わっていく可能性はあると思います。
エネルギーっていうのは、みんな好きに使っちゃうんですよ。それが経済的な原理だろうと思うんです。だからこそ、新しい技術ができるっていうのが大事だと思うんです。そういう方向の研究っていうのは、やって行かないといけない。

江原:黙っていても「棚からぼた餅」みたいに問題が解決できると思っている日本人の意識が問題ですね。自分の生活と繋がっていないというか。未来のためにと言うけど、すでに今危機が起きています。その痛みを全然感じない日本人。島国で外のことを考えない井の中の蛙ですよ。
日本はお任せ民主主義が強いですけど、ミレニアル世代と言われる若い世代が、一番関心が高いのが気候変動の問題です。自分たちが望むものは自分たちが動くんですよ。行動するってことです。

ディスカッション:21世紀の私たちにできること

山本:地球温暖化の問題から言うと、化石燃料にはどこかで上限を設けないと大変なことが起こるかもしれません。でも、地球のことは分かりません。IPCCのレポートを読んでも、2100年の温度上昇は0.3~4.8度まで研究者によって幅があります。
保険はかけなければいけません。でも、保険料が高すぎたら保険に入れないでしょう。対策はしなければいけないけど、その金額には残念ながら上限があります。

産業革命のとき、世界の人口は8億人、1950年でも25億しかいなかった。それが今、73億に増えました。マルサスという経済学者は『人口論』の中で、産業革命時の8億の人口が増えたら、みんな貧乏になると言いました。食糧生産が追い付かないと考えたからです。
しかし、彼は予測を間違えました。技術革新があったからです。食料の生産力は飛躍的に増えました。もちろん、世界には貧しい人が多くいる現実がありますが、それでも73億人の人が暮らしています。
エネルギーも石油が出てきて、天然ガスが出て、原子力が出てきます。これから、今の我々が想像できない新しいエネルギー源が出てくるでしょう。ただ、それはやっぱり長い時間がかかるな、と思うんです。

江原:僕たちは今究極の局面にいます。破滅か、また昇るか。今の人類は自然の調和に従っていないんです。そのツケは必ず来ます。放っておくと、誰も地球に住めなくなりますよ。だから、僕らは究極のところでやりますよ。世界でもR水素をやる人が増えてきました。
僕たちの責任は、見たこともあったこともない同胞たちを守る意思があるかどうかなんですよ。自分たちには水や空気を汚さない技術があるじゃない。それを広げていくしかないのですよね。
いくら言っても難しいので、まず作るんです。小さなコミュニティから始めます。そんなにお金はかかりません。

堂免:エネルギーの問題は、ある日突然解決するわけじゃなくて、僕は100年くらいはかかるだろうと思うんです。21世紀中くらいはかかって、徐々に変わってくると思う。世界中のエネルギー関連の経済規模っていうのは120兆円を超えています。そういう規模のものが、そう簡単に変わるわけがない。
だから、みんな意識をしっかり持って新しいエネルギーを作って行く。特に再生可能エネルギーは非常に大事です。科学者として言うと、そういうことになります。

考察

エネルギーがなければ私たちの生活は維持できない。ではそのエネルギーをどうやって作るのか。再生可能エネルギーに対するスタンスは社会的な立場によって様々だが、このままでは地球上で人類が生存できる環境が維持できなそうだ、ということは揺るぎない事実のようにみえる。地球温暖化や気候変動に関するデータ、再生可能エネルギーの信頼性に関するデータ、原発のリスクに関するデータ、客観的なデータはいくらでも探し出して積み上げることができるが、そのデータに意味と方針を与えるのは、私たちの主観であり意志であり、未来へのビジョンだ。

エネルギー問題にも希望はある。問題を解決するための技術も知恵も既にある。あとは、私たちが何を見るか、何を選ぶかだ。この問題が、私たちひとり一人が自分の生活に直結しているんだということを意識して、理解して、アクションすること。その環が大きくつながっていくことで、社会が、未来が変わっていくのではないか。

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