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クリエイティブ発想と言葉のデザイン (2/3) 「アイデアのつくり方」をつくる

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【満員御礼】クリエイティブ思考は世界を変える?

なんでちっとも伝わらないんだろう?

クリエイティブ発想と言葉のデザイン (1/3)  「伝える」から「伝わる」へからの続き

 

「何で伝わらないのか」、「どうすれば伝わるのか?」っていうコミュニケーションの極意を見つけたので書きます。

これ、当たり前のことを視覚化してるだけですけど、これがまさにアイディアでありコピーなんです。「赤くして大きくする」っていうことをしてるだけ、ということなんです。

世の中に「消費可能情報量」と「選択可能情報量」っていう難しい言葉があるんですけど、「消費可能情報量」というのは人間が消費できる情報量です。スマホの時代になって、10年くらい前より2~3倍の情報量を扱えるようになりました。ところが、「選択可能情報量」の方はネットとSNSの登場により十何億倍になっています。これは、もう人間が扱えるようなレベルではない。

世の中には情報が溢れていて、どうがんばっても見ることができる情報はその中のほんの一部。だから、結局、アイディアの無い情報は伝わるはずもない。しかし、一度、情報が赤くなったら、誰かが見つけて拡散されます。どんどん大きくなっていく。大きくなっていって、それしか見えなくなっていく、という感覚です。

そうなってくると、情報にアクセスするための方法論を考えないといけない。概念的な話になりますけど、マス・コミュニケーションを捉えていくのに、1×100×100×100で100万という数字に到達する。初めの1がおもしろければ伸びる。新しいアイディア、おもしろい発見、この映像がすごい、素敵だ、誰かに教えたい、ってなると伸びていく。しかし、1のところがゼロだったら、何をかけてもゼロのままです。

最初の1を伸ばしていきたい。そのためには目立つしかない。目立つというのは、本当の意味で赤くなるということです。それは、共感されて拡散される、ということに他ならない。とはいえ、「共感され拡散されること作ってください」では誰も動かない。なので、言葉を作りました。この二つの言葉を考えると、勝手に共感されて拡散されることになります。

このすごくバカみたいな簡単な言葉に、今の時代のいいアイディアを作る方法をほぼ全て含めたつもりです。これなら、企画がんばれますよね。

すごく単純に世の中に共感されるアイディアというのは、自分の思いと相手の思いの間にある言葉のことなんです。これ当たり前ですよね。共感というのは、共に感ずるってことだから、うまいことできてますよね。自分のやりたいこと、出したいこと、作りたいことがあって、来る人、使う人、それを望む人がいて、両方に共感されるもの。自分の思いが左にあるとすると、右の思いを考えないとやっぱりダメだと思うんです。

よく知られた笑い話ですけど、「マイナス270度まで冷やせる冷蔵庫作りました。すごいですよ。」と言われても、どうやって使っていいか分からない。人間って自分が作りたい思いに固執したくなるものですけど、やはり使う側からどう共感されるのか、考えて作っていった方がいい。それは、課題の設定、新商品の開発、会議のテーマとか人事制度であったとしても同じです。

「チクチクしないセーター」というのが、数年前、無印良品で売られていたんです。実は、それより前は「なんとかかんとかアンゴラセーター」という名前で売られていて、そのときはあまり売れてなかったんですよ。でも、「チクチクしないセーター」になったら完売するんです。つまり、使う人にとって「アンゴラ~」とかはどうでもいいです、と。「本当は私たち、チクチクしないものがほしかったんです」ということを見つけたんですね。他にも、柔らかいとか風合いが、とかいろいろある中で、「チクチクしない」をピックアップして、それが一番、相手側が求めているものだった。それが、マッチングした瞬間にボンと売れる、と。

ちなみにジェームス・ヤングっていうおじさんがいてですね、「アイディアとは既存の要素の組み合わせ以外の何ものでもない」と言ってます(アイデアのつくり方より)。ゼロから1を生むっていうのも重要なんですけど、そうではなくて、すでに頭の中にある、ある要素とある要素がかけ合わさってスパークした瞬間にアイディアが生まれる、というようなことを言っています。まさにさっき僕が言おうとしてることと同じなんですけど、これがアイディアの作り方の根幹にあるんじゃないかと思うんです。

そして、僕が一番好きな言葉はこれです。

「未来が過去を作るんだ」

過去を振り返って未来を作ることはできないし、過去が未来を作っていくって言われるんだけど、結局のところ未来で成功したら、過去がすべて編集されるので。だいたい成功した人に話を聞くと、昔つらかったけどあのときがあったから今がある、って言うんですよ。絶対そのときは滅茶苦茶つらかったはずで、死んでやるとか思ってたけど、未来が成功したら成功、っていうことだから、未来に向かってやった方がいいんじゃないですか、っていうことです。

佐治晴夫さんという宇宙物理学者がいらっしゃって、アインシュタインに頭をなでられたというエピソードを持つ、天才的な人なんですけど、もともとはその人の言葉なんです。あるとき、「これ本当なんですか?」って聞いたら、「宇宙物理学的に正しい」って言ってました。宇宙物理学的に正しいって事は相当正しそうじゃないですか。

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