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【メールマガジン】役に立たないものこそ教養?
Next Wisdom Foundation事務局は、定期的にメールマガジンを配信しています。ここでは、反響の多かった回を公開していきます。
今回は2022年8月1日に配信したメールマガジンを紹介します。
ジャングルトレインというシンガポールからタイへと向かう列車に乗っている時……
NWFと株式会社ドコモgaccoで取り組んでいる『gacco LIVE 教養再考ー振り返れば教養』、次回8月4日(木)
https://nextwisdom.org/event/
渡辺さんは、NWFのイベントや取材でその知識・
「ジャングルトレインというシンガポールからタイへと向かう列車に乗っている時、60歳過ぎくらいのおじいさんに出会いました。その人は、英語は本当につたないんだけど、一生懸命話してくれるんですよ。3時間くらい話した後、いよいよ私が降りる駅に着くという段になって、おじいさんが突然立ち上がって、「八紘一宇の~」って日本の軍歌を歌い出して、その直後に泣き崩れちゃったんです。それで、「とにかく一緒に降りて話を聞かせてくれませんか」と言って降りた後、一緒にロティをちぎって食べながら、おじいさんの戦争体験を聞かせてもらったんです。
おじいさんは、当時まだ4歳だったけど、
その時思ったのは、もし戦争が始まる前に、多くの日本人たちがこういうおじいさんに会っていたら、他国を占領しようという発想や、ただ国籍が違うという理由で、戦争中に敵国の人を殺したりすることはできなかったんじゃないか、ということです。なぜ、この人がマレーシア人だというだけで戦わなきゃいけなかったのか、って。すごく嫌な気持ちになりました。だから、そういったもの、すなわち敵対概念によって成立している国民国家に対するオルタナティブを作りたい、という思いはすごくありますね」
※『オフグリッドする国家 〜デカルト・ユーラシア・奄美~』(2017年6月9日公開)h
「東日本大震災で日本がパニックになったとき、私は東京に住んでいました。震災直後は郵便の配達が止まっていて、3月15日に受けとった郵便物がドイツ留学の奨学金の合格通知で3月11日付でした。留学の目的が、原子力発電所の反対運動をして緑の党を結党したヨーゼフ・ボイスの研究だったのですが、その合格通知が3月11日付け、東日本大震災の当日だったことに衝撃を受けて、何かをしなければいけないと思いました。
私は畠山直哉さんという写真家と親交が深く、彼が「写真は人の記憶への奉仕だ。記憶は過去ではなく未来に属していると考える。そう考えなければ、シャッターを切る指先にいつも希望が込められてしまうことの理由が分からなくなる」と言っていたのを思い出したんです。
そこで、
私はニューヨークでギャラリーのマネージャーを2年間やった経験があり、アートバーゼルでサテライトブースを出せば売れると分かっていました。日本のために何ができるかということを日本で考えるのではなく、海外の人に協力してもらおうと思いアートバーゼルでチャリティ展をやることにしました。その展示の個人的なミッションは、震災に芸術の立場から応答して希望の光を灯そう、つまり、芸術の扱うべき規模や未来というテーマをどう被災と結びつけることができるのかということを考えました」
※『NWF×代官山蔦谷書店共催 「繋がり」を再考するー松本紹圭×渡辺真也 ―FutureDiversity 不確実な時代に多角的な視点を持つためにはー』(
https://nextwisdom.org/
ユーラシアの専門家
渡辺真也さんは、”融合を目指す人”
渡辺さんは、ユーラシアの専門家です。
「31歳でベルリン芸術大学に留学して、博士論文として『ユーラ
この発言だけでも、
司会を務めるNWF研究員・花村えみは、渡辺さんについて「
渡辺さんとの事前の打ち合わせでは「
『教養再考ー振り返れば教養』は無料で視聴できますが、
▷お申し込みはこちら
https://lms.gacco.org/courses/
教養再考ー振り返れば教養 VOL.5 参考図書
※各出版社の紹介文を引用
『時間の比較社会学』(真木悠介・岩波書店)
原始共同体,古代日本,ヘレニズムとヘブライズム,近代社会-
https://www.iwanami.co.jp/
『ユーラシアを探して』(渡辺真也・三元社)
地球の陸地の40%を占める大陸、ユーラシア(Eurasia)
http://sangensha.co.jp/
『ポニョCODE』(渡辺真也・三元社)
映画『崖の上のポニョ』に秘められた宮崎監督と夏目漱石、
http://www.sangensha.co.jp/
『三四郎』(夏目漱石・新潮社)
熊本の高等学校を卒業して、東京の大学に入学した小川三四郎は、
https://www.shinchosha.co.jp/
『草枕』(夏目漱石・新潮社)
智に働けば角が立つ――
https://www.shinchosha.co.jp/